飢餓のない世界

飢餓のない世界

飢餓のない世界

日本随一のグルメゾーン、銀座のど真ん中で食をめぐる問題と展望を考えるシンポジウムを定期的に開催している「銀座 食学塾」。13回目を迎えた先週17日の回は、開発途上国で飢餓撲滅に向けた支援事業を行う国際支援NPOハンガー・フリー・ワールド(HFW)の皆さんをお迎えして、世界の飢餓の現状を知るエンディング・ハンガー・ゲームをして遊びました。
ゲームは、現在の世界の人口分布に合わせて参加者を各地域に割り振ることから始まります。私は東アジア地域の住民に。部屋に広げられた大きな世界地図の上には、私の住む東アジアや南アジア、アフリカといった人口の多い地域に人がひしめき合っています。
HFW

各地域には、食糧生産量や国内総生産(GDP)、軍事費、乳児死亡率、識字率の現状を踏まえて配られたお金と食糧、軍備などが配られ、各地域は互いに協力し合いながら制限時間内に支援や貿易を通じて「飢餓のない世界」をつくり上げていきます。
さあ、ゲームスタート!食糧を獲得し、乳児死亡率を低下させ、識字率を上げるためにほとんどの途上国が軍備売却に動きました。しかし、時間が少なかったこともあって、残念ながら世界から完全に飢餓をなくせませんでした。「遊ぶ」なんて言うと不謹慎なテーマですが、飢餓という問題の大きさと世界の富の偏在という現実を知る上では、とても良くできたゲーム。高校程度までの社会学習や総合学習にはうってつけだと思いました。
日本の一般家庭から出る食べ残しなどの生ゴミは、世界の途上国などへの食糧支援1年分に相当する年間1000万トン。世界じゅうで8億5000万人が飢えに苦しむ一方で、10億人もの人が肥満と言われています。私たちが食べ過ぎたり食べ物を粗末にしている傍らで、世界では5秒に1人が飢えで亡くなっているという現実があります。愕然とする数字を前に、まず自分が太らず食べ残さないのはもちろん、個人の戒めを超えた社会的なムーブメントをいかに仕掛けるべきか考えずにはいられませんでした。
おまけ;ゲームの後は、HFWの支援先の1つであるウガンダのお料理で懇親会。その際購入したウガンダコーヒーを後日オフィスでいただきましたが、まろやかさの中にもしっかりとしたアロマを感じられてとても美味しかったですよ。

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