地方活性化の切り札となるか、チャレンジプロデューサー
ビジネスを通じて、またはビジネス的な手法を用いて、環境問題や社会問題の解決のために行動する社会起業家。日本でも、地域社会の立て直しや子育て支援といった社会課題を解決する担い手として社会起業家に対する期待感が高まっています。中でも、最近求められている地方活性化の切り札として注目できそうなのが、長年にわたって社会起業家支援を続けるNPO法人ETIC.(エティック)が行う「チャレンジ・コミュニティ創成プロジェクト」です。
このプロジェクトは、地域活性化につながる魅力あふれる事業を創り出し、大学生を中心としたインターンを長期で受け入れて事業を成功させることを目指す「チャレンジ・プロデューサー(CP)」と呼ばれる人たちを全国規模で育成していくというもの。2004年の開始以来、全国各地で活躍するCPたちが生まれ、彼らを通じて累計284社の企業が約600人の学生を受け入れたそうです。
先日行われた年に一度のプロジェクト報告会では、岐阜市で地場産業への長期インターンシップを企画したり、地域に根ざした起業支援を手掛けるNPO法人G-netの秋元昭治さんや、高知県の嶺北地域という四国のど真ん中に当たる地域で林業や民宿などへの「田舎インターンシップ」を企画する株式会社南の風社の宮脇綾子さんら全国のCPたちが事例報告してくれました。私が参加したこの後の分科会では、「地域で社会起業家を生むためにどんな環境整備が必要か?」というお題が与えられて各グループで議論。私のグループでは「地域での長期インターンは、何も学生に限らなくても、やる気のある社会人やシニアにも機会を与えるべきじゃないの~」という意見が出て、代表の方が皆の前で発表してくれました。
5年後、10年後、このプロジェクトから成長したCPたちの手によって個性的な地方がどんどん出てくると、日本の将来もかなり楽しみだなあと思う訳です。オルタナ5号(11月末発売)のサブ特集では社会起業家をフィーチャーする予定。どうぞお楽しみに!