21世紀型人材に必要な能力は野球で養える!
息子の小学校卒業まであと3か月。 このたび、約5年間所属した少年野球チームを無事に卒団しました。 最終学年として「市大会優勝」を掲げて始動しましたが、緊急事態宣言と一斉休校でいきなり出鼻をくじかれ、遅れに遅れた公式戦は7月になってようやく開幕。その後はナイスゲームも悔しいゲームも経験しながら、残念ながら目標には届かなかったものの(秋季市大会ベスト8)、最後の地域広域の大会では息詰まる接戦を演じて大人たちを感動させてくれました。
母から息子へ、こちらのメッセージを卒団式ビデオを通じて送らせてもらいました。 ーーーーーーー いい時も悪い時も、工夫しながら試行錯誤するキミの姿からたくさん学び、たくさん楽しませてもらいました。 野球でも人生でも、トライ&エラーしながらチャレンジするからこそ成長できます。 これからもEnjoy Baseball, Enjoy your life! ママより ーーーーーー
上述の通り、息子の野球チームでの5年間で、私自身も人の成長と組織力の向上という点を非常にリアルな形で学ぶことができました。グローバル化と情報化で変化の激しい時代に対応できる21世紀型人材をいかに育成すべきかとの議論は、コロナ禍に入ってますますさかんになっているところですが、私に言わせれば「必要な能力はほとんどすべて野球で養える」です。
野球は、非常に高い次元での個人の能力(一人ひとりに打席が回ってくる、特にピッチャーは一人で打者に対峙する)とともに、複雑な戦術を伴ったチームワーク(バッテリーの配球、守備連携など)も同時に求められるスポーツです。 個人の能力としては「(常に先の展開や相手の心理を読みながら打撃や守備に臨む)先見性」「(相手チームや自分の過去のデータに基づいて改善や戦略立案を行うなど)分析に基づいた行動力」「(何よりも9回2アウトからもあきらめずにプレーできる)やり抜く力」が磨かれます。さらに、チームメンバーの特性を活かしながら(←少年野球では主に監督の役割だと思いますが)ともに勝利を目指す「協働力」も養われます。 これらはいずれも、常に変化する複雑な社会課題に対してクリエイティブに対応するために必要な能力ばかりです。
また、息子のチームメイトには女子選手や外国にルーツを持つ選手もいましたので、 息子は自然な環境の中で「多様性」を当たり前に体感することができたのではないかと思っています。 野球を通じた人材育成に携わられている方々の著書からも、たくさん勉強させていただきました。 これから学童野球を始める、あるいはすでに始めている子どもの保護者の方々にはこちらがすすめです。
◆親がやったら、あかん! 80歳“おばちゃん”の野球チームに学ぶ、奇跡の子育て(柳原 安子)
大阪府吹田市の学童野球チーム「山田西リトルウルフ」の低学年チームの監督兼「おばちゃん」。プロ野球選手を輩出し、全国大会出場経験もあるチームながら、選手の自律と自立を促す指導哲学や、選手たちで古新聞回収をして活動費を捻出するといった創意工夫あふれる運営方針はいかに生まれたかが書かれています。 わが家はこれから中学野球に進みますが、日本の場合は特に甲子園での高校野球を目指す過程での「勝利至上主義」が、野球の世界でしか通用しない過度な根性主義に基づいた練習や考え方を生んでいるとして問題視され始めてきました。こうした現状を変え、正しい技術の習得と人間的な成長につなげようとする取り組みに興味のある方は、こちらもおすすめです。
◆Thinking Baseball ――慶應義塾高校が目指す"野球を通じて引き出す価値"(森林 貴彦)
正しい技術の習得と人間的な成長という点では、息子が学童野球チームと並行してお世話になったこちらのグループレッスンもとても貴重な機会だったと息子を見るにつけ思います。ちょうどレッスン時に取材してもらった記事がこちら。 もっと自由にベースボール!藤沢・野球塾『Perfect Pitch and Swing』 ☞息子、写ってます(笑) 息子は決して体格に恵まれたセンスあふれる選手ではありませんが、努力と工夫とEnjoy Baseballの精神でこれからの中学生活も切り拓いてほしいなと思っています。次のステージもこれまでの自分らしく、そしてさらに新しい自分や仲間と出会えることを願いながら、見守っていきます。