幸福な国の条件とは?

幸福な国の条件とは?

幸福な国の条件とは?

GW後半おすすめ本、お次はこちらです↓

幸福途上国ニッポン 新しい国に生まれかわるための提言 幸福途上国ニッポン 新しい国に生まれかわるための提言
(2011/06/24)
目崎 雅昭

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取材に伺ったある方とのお話の中に出てきたこの本。著者は、英国の大学院で修士号を取得後、外資系金融機関でマネーゲームの最前線を担った後に退職。10年あまりかけて世界100カ国を旅して、現在は外資系コンサルタント会社の日本代表を務めるという、ユニークな経歴の持ち主です。
この本の出色は何といっても、幸福な国の条件を気候、平均寿命、自殺率、出生率、宗教、経済、格差、地域主権、(人々の)寛容度との相関関係から浮き彫りにしていった前半部分。その結果、地域主権が髙く、人々の寛容度が高い国ほど幸福度も高いという有意な相関関係が見られるという観点が出てきて、なるほど!と思ってしまいました。
この観点に立つと、日本人の幸福度の低さの背景が説明できますよね…残念ながら。また、日本人の幸福度の低さを「ひとりひとりが真剣に考え、対立を恐れずに対話や議論をする機会が少なすぎることと関係ないだろうか」(147ページ)というのも、無視できない視点でしょう。
個人的には、後段に出てきた「自己イメージが多岐にわたる人のほうが、幸せになる確率が増えるのではないか」(165ページ)という視点も頷けました。母親だけ、仕事人だけというのではなく、「母親でもあり仕事人でもある」からこその幸せってあるよな~と。そこに、地域での活動に精を出す側面や、趣味人としての側面も加わってきたり。確かに、色々なことをやっている人のほうが、いつも楽しそうに見えます、特に女性は。
GDP偏重の経済システムへのアンチとして幸福度にスポットが当たって久しいですが、学術的な講釈とは違った面白さのあった本でした。

幸福途上国ニッポン 新しい国に生まれかわるための提言 幸福途上国ニッポン 新しい国に生まれかわるための提言
(2011/06/24)
目崎 雅昭

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