ありがとうございました!次なるチャレンジへ

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1年間編集長を務めさせていただいたパルシステム生協月刊誌「POCO21」が、パルシステム内の出版物の再編に伴い、7月発行の8月号をもって休刊することになりました。リニューアルのコンセプトづくりから携わらせていただいた思い入れあふれる雑誌となりましたので、ちょっと振り返らせて下さい。
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10年あまりにわたるご愛読、心より御礼申し上げます!
マスメディアでの経験、マスメディア出身者とともに雑誌をつくったこれまでの経験から、私がPOCO21で心掛けたのは、
「(マスメディアがやりがちな)自分たちの主張だけを言いっぱなしにしない」
「(マスメディアがやりたがらない)光の当たりにくい現場からの発信をすくい取る」
ということでした。もちろん特集記事を貫くポリシーでもあったわけですが、これを最もうまく表現できたのは、持続可能な日本の農林漁業の未来を現場の生産者や現場志向の研究者に論じてもらった「これからの農林漁業の話をしよう」と、さまざまな社会問題に対して変革のために行動する気鋭の若手の皆さんによるリレーエッセイ「Action! ここから始まるソーシャルシフト」という2つの連載でした。東日本大震災から2年、政権交代、TPP交渉参加という2012~13年というタイミングでの政策テーマ、世の中の課題が見えてくると思うので、記録の意味で一覧にしておきたいと思います。
「これからの農林漁業の話をしよう」
・有機農法ギルド(茨城県)濱田幸生さん
大震災後の有機農業への逆風、TPPへの危惧を率直に語ってくれました。
・オーガッツ(三陸・雄勝)立花貴さん
大震災で甚大な被害を受けた漁業の再生、カギは地元以外の人たちにいかにオープンに関わってもらうかだと言っていました。
・森林ジャーナリスト 田中淳夫さん
日本の森は今が使いどき。私たち消費者は、国産材、間伐材を積極的に利用する「木づかい」の意識を持ちたいものだと提言して下さいました。
・東京大学 青山潤さん
ウナギの生態研究の現場から、ウナギ価格高騰の背景にある乱獲、日本人の大量消費の弊害を鋭く指摘していただきました。
・JAつくば市谷田部 飯泉孝司さん
原発事故による放射能汚染でしいたけ原木の確保が困難に。原木しいたけ栽培が衰退すれば、ますます里山の荒廃が進むと警鐘を鳴らしていただきました。
・すすき牧場代表 薄一郎さん
ストレスの少ない環境、抗生物質フリーで飼育した牛肉を通じて、本当のおいしさの意味を提起していただきました。
・山形大学農学部教授 江頭宏昌さん
品種改良された種苗に対して、各地に残る在来作物の保存、継承活動への思いを語っていただきました。
・三重大学生物資源学部准教授 勝川俊雄さん
持続可能な水産資源管理は消費者の意識改革から。
・(株)ウィズハウスプランニング代表取締役 藤江恵一さん
国産材木を活用するには、製材・加工・流通までの一貫したインフラ整備が不可欠。
・遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン代表 天笠啓祐さん
TPPに参加すれば、今でさえゆるい遺伝子組み換え食品の表示制度も後退しかねない。
・NPO法人農家のこせがれネットワーク代表理事 宮治勇輔さん
オヤジ世代の地盤や農業技術に、こせがれ世代のビジネススキルとネットワークを融合して、新しい農業経営を!
・(株)東京チェーンソーズ代表取締役 青木亮輔さん
国産材利用を東京の森から。
・ノンフィクション作家 島村菜津さん
農山漁村を目指す若者は、環境の世紀の新しい暮らしのモデル。
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リレーエッセイ「Action! ここから始まるソーシャルシフト」
NPO法人フローレンス代表理事 駒崎弘樹さん (病児保育)
「1億総当事者社会」への切り込み隊長、駒崎さんがトップバッターでした。
NPO法人CANVAS理事長 石戸奈々子さん (デジタルツールを使った次世代教育)
NPO法人育て上げネット理事長 工藤啓さん (ニート・引きこもりの社会復帰支援)
HASUNA代表取締役 白木夏子さん (エシカルジュエリー)
One voice campaign発起人 佐別当隆志さん (ネット選挙運動)
ユナイテッドピープル株式会社代表取締役 関根健次さん (社会派ムービーの配給)
Hub Tokyo代表取締役 槌屋詩野さん (コワーキングスペース)
信頼資本財団事務局長 鴨崎貴泰さん (社会事業への中間支援)
保育士・子ども未来プロデューサー 小笠原舞さん (社会で子どもを育てる支援のあり方)
・東京都港区議会議員、NPO法人グリーンバード代表 横尾俊成さん (市民による地域課題の解決)
NPO法人3keys代表理事 森山誉恵さん (児童養護施設の子どもへの学習支援)
NPO法人サービスグラント代表理事 嵯峨生馬さん (プロボノ) 
NPO法人Fine理事長 松本亜樹子さん (不妊当事者支援)
NPO法人ファザーリング・ジャパン理事 村上誠さん (父親の育児参画)
ご登場いただいた方々のテーマはすべて、まさにこの時代の課題。10年後の解決、前進を見たいものです。
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インタビューさせていただいた皆さんからは、誌面ではとても収まりきれない見識に富む視座をいただきました。御礼に代えて、お名前をご紹介させていただきます。
・環境ジャーナリスト 枝廣淳子さん
エネルギー問題を通じた、参加型民主主義のお話
・教育評論家 親野智可等さん
親が変われば、子どもは変わる
・ドキュメンタリー映画監督 鎌仲ひとみさん
内部被ばくの時代をしなやかに生き抜くための知恵
・法政大学キャリアデザイン学部長 児美川孝一郎さん
正社員、非正規社員の間の働き方を
・NPO法人アサザ基金 飯島博さん
放射能汚染の可能性に直面する茨城・霞ヶ浦の今
・カリヨン子どもセンター理事長・弁護士 坪井節子さん
現代の児童虐待、教育虐待について
・料理家 本田よう一さん
福島の食材の良さをアピールする活動を続ける料理家
・東京大学高齢社会総合研究機構 木村清一さん
高齢社会のグランドデザイン
・アバンティ代表取締役 渡邊智恵子さん
オーガニックコットンで被災地再生
・ジャーナリスト・メディアアクティビスト 津田大介さん
ウェブを通じた市民の政治参画、民主主義の行方
・映像ジャーナリスト 熊谷博子さん
三池炭坑と福島原発から透けて見える日本のありよう
・NPO法人ホールアース研究所事務局長 山崎宏さん
現代社会では、自然体験を意図的にしなくてはならない
・日本女子大学教授 大沢真知子さん
これからの女性の就労支援の方向性
・水ジャーナリスト 橋本淳司さん
TPPで水資源も危うく!?
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雑誌づくりの楽しさを改めて味わった一方で、関心のない人には届きにくいという雑誌の媒体としての限界も骨身に沁みた1年間。7月からは、自然エネルギーをテーマとした環境教育の企画&ファシリテーションのお仕事を始めます。この歳にして新領域への挑戦で、どうなることやら…という感じですが、子どもたちのために少しでも持続可能な未来を残してやれればという思いです。
もちろん、書くお仕事、時々しゃべるお仕事もライフワークとして続けさせていただきます。どうぞお気軽にご用命下さいませ。

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