ラスト1マイルのエコロジー
ヒトと社会と地球を大事にするビジネス情報誌「オルタナ」の0号、いかがですか。
この中の特集「環境・健康・社会貢献 日米欧モデル企業30社」で取材に伺ったエックス・キューブ(本社 東京都中央区)には、非常に大きな可能性を感じます。同社のサービスが、電気の節約とごみの分別に続く、環境に配慮したエコ行動に化けるかもしれないからです。
同社は、携帯電話やクレジットカードなどをカギ代わりに利用できるロッカー型受け渡しシステムを全国で展開している会社。せっかく配達された宅配便を受け取れない場合に備えて同社のサービスに申し込んでおけば、通勤途中や用事のついでに最寄りの駅や公共施設に設置されたロッカーで荷物を受け取ることができるんです。
このサービスを一人でも多くの人が申し込むとどうなるか―。宅配業者に再配達してもらうためのトラック輸送が減るので、二酸化炭素(CO2)の排出量はもちろん、車の発停車によってひどくなる大気汚染も軽減されるという訳です。日本の宅配便取扱量は年間32億個。宅配便が受け取り人の手に渡るまでの最後の1マイル(約1.6キロ)を行くのに、一人当たり何と3回、6往復も要しているそうです。時間指定に再配達ときめ細かいサービスが身上の日本の宅配便ですが、これは過剰サービスによって環境を害している最たる例と言わざるを得ません。外国から帰って来ると、余計にそう思いますね。
同社は昨年、日本郵政公社と提携して「ゆうパック」を対象とした受け取りサービス「Post Cube ポストキューブ」をスタート。ロッカー設置場所もどんどん増えています。電気の節約に気をつけている、ごみの分別ももうやっているという方は、小さな荷物ならなるべく公共の場でピックアップするということを、新しいエコ行動として付け加えてみてはいかが?