本を選ぶ基準は「次の世代に残したいか」
皆さんにとって、本を選ぶ基準って何ですか?
「自分が読みたいから」「仕事で役立ちそうだから」あたりでしょうか。
私はこれに加えて、
「自分の子ども世代に読んでほしい本だから」
という基準も意識しています。
この基準で毎回発売されるごとに即買いしているのが、
こちらの3部作です。ベストセラーにもなりましたね。
未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)
講談社
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未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること (講談社現代新書)
講談社
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そして、今回読んだ第三弾がこちら↓↓↓
未来の地図帳 人口減少日本で各地に起きること (講談社現代新書)
講談社
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人口減少する日本でこれからどのようなことが起きるか、総論から始めて、各地域ごとにいつどのような形でそれらが起きるかを示した前二作に続く第三作。今回は、日本各地で起きることを踏まえて、私たちがどのような視点を持ってどんなことをすべきか提案しています。
大きな方向性として打ち出されているのは「東京一極集中から、全国各地にヒト、産業、文化を集積させた拠点都市制へ」ということ。これに沿って様々な提案が示されているのですが、中でも元気なうちに高齢者が街の中心部に集まって住みやすくする「在宅医療・介護からの転換」というのは、「最期まで住み慣れた地域で」という理想の下に、介護離職など結局は現役世代の負担につながってしまっている「地域包括ケアシステム」の見直しを迫るもので、今までここまで公な主張として聞いたことがありませんでした。
現在の地域包括ケアシステムは、地域で動ける現役世代がまだ相当数いるので成り立っていますが、私たち世代が高齢者になった時には現役世代人口が大幅に減っていますので、どう考えても制度として成り立ちません。私もおばあちゃんになったら、一人暮らしでも子どもと暮らすのでもなく、気の合う地域の人たちと集まって暮らしたいと思っているので(笑)、著者の主張は「よくぞ言ってくれた」という思いです。
地域間で人口を奪い合うのではなく、移民を大量に入れるのでもない方法で、日本全体としてどのように対応すべきかについて論じた提言の書。今11歳の息子が10年後(いや5年後ぐらいにはもう読んで欲しいですね)に読んだ時、「前々から予想されていたのに、どうして何もなされなかったの?」と言われないようにするのが、私たち親世代のミッションであるべき――。いよいよそう強く感じています。