働き方改革は”生き方改革”
先日誕生日を迎え、いよいよ年女に突入☆ということで、大前研一さんの最新作「50代からの「稼ぐ力」:会社にも年金にも頼らず生きる方法」を読みました。
実は大前さんの著作、折に触れて読んでいます。過去にも「50代」をテーマにした本を何冊か書かれていて、50代には他の世代にはない重要な「何か」が包まれているのかな、と想像しています。
今回の作品、読んで字のごとくで、副題にもあるように「会社にも年金にも頼らずに生きるにはどのような力を身につければいいか?」が書かれています。
今の40、50代と言えば、昨今の働き方改革でこれまでの1つの会社に自分のすべてを捧げるような働き方を否定されたり、組織の中で管理職として働き方改革の余波をもろに受けたりして(部下のタイムマネジメントという名で自分がすべてを背負わされたり…)、「これからどうすればいいのか?」という感覚を最も持っている世代なのかなと思います。また、年金が当てにならないので一生働くことになるということにネガティブな印象を持っている人が少なくないのかな、と。
でもそれは、仕事=稼ぐことが苦役、あるいは少なくともあまり楽しくないことから来ていると考えられます。仕事=稼ぐことが喜び、あるいは楽しければ、嬉しくて楽しいことを一生続けられるなんて、幸せなことだと思いませんか?
そう考えると、冒頭の「会社にも年金にも頼らずに生きるにはどのような力を身につければいいか?」という問いに対して、真っ先に「自分にとって楽しいこと、嬉しいことを見出せるチカラ」だと気づくことができます。
大前さんは著作の中で、
・いくつかの答えの可能性がスッと抽出できる能力
・みんなをその気にさせて議論を引っ張るリーダーシップ
・問題の全体像をパッとつかみ、見えていないものでも見えるようにする能力の3つのチカラこそ、「答えのない時代を生きるための能力」だと説いています。
ではそれらのチカラをどのように身につければいいのか、磨き上げればいいのか、と思いますよね?
大前さんによると、そのための絶好のトレーニングがRTOCS(Real Time Online Case Study アールトックス)で、ご自身が学長を務めるビジネス・ブレークスルー(BBT)大学でよく使っているそうです。
アールトックス??
要は、「もしあなたが〇〇社の社長ならどうするか?」という視点に立って新規ビジネスのアイデアを考えてみるーというもの。
なるほど、これを100本ノックぐらいやったら確かに鍛えられそう。
あとこの本でもう一つ印象的だったのは、AIについての捉え方。
RTOCSを続ける過程で、AIのことを考える人も少なくないでしょう。AIは今後人間に取って代わる領域はたくさん出てくると思われますが、それを恐れるよりも「AIで何ができるか」を発想できるようになることがカギになるーと大前さんは言います。答えのない時代を生きるための、もう一つのチカラですね。
働き方改革で惑う40、50代に生き方改革を勧める1冊です。