「エネ女」が考える、日本のエネルギーの将来

早いものでもう2月。まだまだ寒い日が続きますが、そんな中、日本のエネルギー政策の将来を考える女性たちによる熱~い会合が先日行われました。その名も「エネ女の集い」!今年夏に予定される国のエネルギー基本計画の策定を前に、エネルギー政策に女性の視点を反映させようと、全国各地から約100人の女性が集まり、ワークショップなどを通じて日本のエネルギー政策の将来像について真剣に話し合いました。そう、これからは歴女もいいけど、エネ女です!!
 
 政府は現在、2030年までの日本のエネルギーのあり方を規定するエネルギー基本計画を策定するため、資源エネルギー庁の基本問題委員会で議論を進めています。ところがこの委員会、25人の委員のうち女性の委員はわずか4人。世代が偏っていることもあって、女性や若者の声が残念ながら届きにくいのが現状です。これに危機感を抱いた女性委員の皆さんの呼びかけで、今回の集会が実現しました。この日の議論の内容は、主催者を通じて基本問題委員会と枝野経産相に伝えられるということもあって、参加した皆さんはやる気満々!
 この日ははじめに、女性委員の一人で主催者の枝廣淳子さん(幸せ経済研究所代表)から委員会での議論の現状が報告された後、集まった女性たちが小グループに分かれて「経済成長率についてどう考えるか」「原子力発電の今後をどう考えるか」「電源構成(原子力、火力、再生可能エネルギーなどの割合)をどう考えるか」の3つについて、自分の考えをまとめた上でグループごとに議論しました。私は取材者として参加していたのですが、とっても面白そうなので、主催者のお許しを得てグループに参加させていただくことに。
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会場は熱気にあふれていました!奥が枝廣さん
 まずは経済成長率から。エネルギー需要とGDPというのはほぼ連動しているので、エネルギー政策の将来像を考える際には、やはりGDPをどのように捉えていくかという論点は避けて通れません。現在のエネルギー基本計画では、2010―20年度の成長率を年率2%(2000―10年度の実績は同0.6%)と想定します。これに対して、私のグループからは「(過大な出生率予測など)成長の根拠があいまいじゃないか」「どのような産業で成長しようとするのか見えない以上、額面通り受け取れない」「地方が豊かになる成長なら期待したいけど、低成長で良いのではないか」といった意見が出ました。今後議論を進めるに当たっては「少子化・高齢化の現状下で必要とされる社会保障システムを賄うためにどれぐらいの成長が必要なのか」が分かるデータがあるといいね、という声が出ました。
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私が参加したグループには、環境ビジネスで起業した人、環境問題のライター、エネルギー系シンクタンクの研究員、地域で再生可能エネルギーを増やす活動を始めた人など、多彩なバックグラウンドをお持ちの方々が
 2番目は原発のこれからについて。2011年度以降に停止中の原発が稼働せず、建設後40年経った原発が廃止されて新増設がない場合、2050年には原発はゼロになります。これをどうスピードアップさせるかに関連して、「危険な原発は即刻停止」「廃棄物問題が解決しない限り、原発の継続はあり得ない」などの意見が。判断材料として欲しいデータとしては「廃棄物の処理・管理コストの明示」というのが圧倒的でした。
 3番目は電源構成について。現状では、原子力31%、火力59%、再生エネルギー等10%です。これに対して、「省エネで(電力消費量を)減らせる分をもっと考慮すれば、脱原発できる」という一方で「(原発をなくすかどうかを)現在世代で決めるのではなく、エネルギーの選択肢を次世代に示してはどうか」といった声が聞出ました。福島原発の事故を経験し、再生可能エネルギーをもっと増やしたい、完全にシフトしたいと考える人が増えていますが、国土の狭い日本では太陽光や風力については設置場所に限度があります。そうなると、日本の地理を活かした水力や波力、地熱に期待したいところ。私はもっと、これらのエネルギーについて日本でどの程度潜在的な開発余地があるのか調べたデータが欲しいと思っています。
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黄色いポストイットには「私がこう考えた根拠」、青いポストイットには「判断するためにこんなデータが欲しい」と書き込みました
最後に、エネルギー政策のより良い決め方についても議論されました。女性や若者の視点が政策に反映されるためには、どうすれば良いか―。「審議会などの委員を公選する」「政策の目標年には生存していない可能性のある世代の委員会への登用を禁止する」といった大胆な意見とともに、地域分散型のエネルギーを普及させるために「地方自治体が地域特性を生かしたエネルギー計画を策定して国で集約」といった重要な視点も出されました。
この日の議論の内容を委員会や管轄の大臣に確実にお伝えいただけるとのことで、参加者の一人としてとても期待しています。このような場を設けて下さった女性委員の皆さんに感謝するとともに、意見表明に向けてこれからも最大限協力させていただきたいという思いを新たにしました。