ジャーナリスト/コミュニティ・プロデューサー
木村麻紀 公式ウェブサイト

「専門家」は十分いる、必要なのは様々な専門分野を統合する「スーパージェネラリスト」だ

ゴールデンウィークと夏休みとお正月休みには、その時々に読みたい本を必ず読破するようにしている最近の私。この夏は、雑誌「オルタナ」時代に連載を担当させていただいていた田坂広志さんの最新作
知性を磨く― 「スーパージェネラリスト」の時代 (光文社新書)を読みました。

知性を磨く― 「スーパージェネラリスト」の時代 (光文社新書) 知性を磨く― 「スーパージェネラリスト」の時代 (光文社新書)
(2014/05/15)
田坂 広志

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タイトルにさせていただいた文言は、3人のノーベル賞学者が設立し、複雑系など最先端の研究を行う米サンタフェ研究所を、田坂さんが1997年ごろに訪問した際に言われた内容なのだそうだ。地球環境問題、世界平和…。20世紀に解決できなかった課題を、今世紀に克服するためには、どのような人材が必要なのか。そのような人材の「知のあり方」は、どのようなものなのかを提示されています。
この本を読む以前に、民間・公共・社会の垣根を超えて活躍する「トライセクター・リーダー」について触れていたので、スーパージェネラリストとはまさにトライセクターで活躍する人に共通した資質だと理解しながら読み進めていきました。
そんなスーパージェネラリストとは?
明確な「ビジョン」を掲げ、基本的な「戦略」を持ち、その達成に必要な「戦術」を描き、「技術」についての知識も持ち、優れた「人間力」に裏打ちされた高い「志」と深い「思想」を持った人。これら7つの知性を見事に切り替えながら並行して進め、それらを瞬時に統合しながら行動できる人のことだというのです。(90ページ要約)
そのほかにも、印象深い箇所がありました。
野心と志の違い。野心とは、己一代で何かを成し遂げようとの願望のこと。志とは、己一代では成し遂げ得ぬほど素晴らしき何かを、次の世代に託す祈りのこと。(134ページ)
スーパージェネラリストになるために身につけなければならないもう一つのこと、それは「多重人格のマネジメント」。多重人格(マルチパーソナリティ)を開花させることによって、多彩な才能(マルチタレント)が開花するようになる。自分の中にある「複数の人格」を認め、受け入れることによって、「自己限定の深層心理」から解放されて、それぞれの人格に付随する「才能」を、どれも抑圧せず、否定せず、開花させていくことができるからだ。(180ページ、195ページより)

シンクタンクへの参画、その後自らによって新たなシンクタンクを創設、東日本大震災時には原子力工学の専門家としての立場を乞われて内閣府参与に、と文字通り官民でしなやかにキャリアを積まれながら、約80作もの著作を出してきた田坂さん。キャリアの結晶とも言うべき内容の数々は、田坂ファンだけでなく、人生80年90年時代を生き抜くことを求められるすべての仕事人におすすめです。

知性を磨く― 「スーパージェネラリスト」の時代 (光文社新書) 知性を磨く― 「スーパージェネラリスト」の時代 (光文社新書)
(2014/05/15)
田坂 広志

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