ジャーナリスト/コミュニティ・プロデューサー
木村麻紀 公式ウェブサイト

食育はワークスタイル変革から

 昨年ベストセラーになった「食品の裏側―みんな大好きな食品添加物 」( 安部 司 著)をようやく読了。それまで多かった「添加物バッシング本」とは違って、添加物の功罪をバランス良く論じた点が受けたんでしょうね。で、この手の本を読むたびに「じゃあどうすりゃいいの」となる訳ですが、この本を読むとやっぱりもうこれに尽きるんじゃないかと思うのです。
 さっさと家に帰って手づくりしましょう!
 コンビニだろうと、スーパーのお惣菜コーナーだろうと、デパ地下だろうと、買ってすぐに食べられる大量生産・加工型の食品で添加物を避けるのは残念ながら至難の業。「添加物フリー」な食生活を目指すのであれば、意味のない残業や付き合いをさっさと切り上げて、せめて一日一食でもバランスの良い食事を手づくりするのがやはり大切なのではないでしょうか。
 それには何より、絶対的な時間が必要。ドレッシングや漬け物を買わずに自家製することしかり、パウダーではなく煮干しやこんぶでだしを取ることしかり、ホント手間がかかりますよね。でも、やっぱりおいしい。食を大切にするというと、とかく食材に凝るといった方向に流れがちですが、何より必要なのは時間だと私は思うのです。
 核家族でお母さんだけで365日手づくりしようとすれば長続きしないはずなので、お父さんにもしっかり参戦してもらう。たまに無性にジャンクなものが食べたくなる「脱線」はよしとしても、基本はあくまで家での手づくりとする。共働きの子育て世帯であれば、「添加物フリー」な食生活に共感する近隣世帯が集まって当番で夕食を作って子どもたちに食べさせる、なんてことができるとなかなか素敵です。
 こうして大人が食を大切にする暮らしを営む姿を子どもに見せれば、昨今ブームの子ども向けの特別な食教育なんて必要ないはず。食育云々言うなら、まずは大人から。しかも、食に豊かな時間を費やせる働き方への見直しなくしては、付け焼き刃に終わってしまうことでしょう。
 

食品の裏側―みんな大好きな食品添加物 食品の裏側―みんな大好きな食品添加物
安部 司 (2005/10)
東洋経済新報社

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3 Comments

  1. jose on 2007-05-06 at 23:59

    こんばんは。
    家庭での食の重要性は大きいと思います。子供の頃の味覚と言うものは記憶に残り、その人の味の基準になりうると私は思います。
    共感する近隣世帯が・・・おもしろいと思います。昔は自ずと地域住民皆がそんな感じだったように思い出されます。
    食環境からいろんな現代の問題というものが見えてくるようで、食に従事するものとして今後の課題だと思っています。



  2. レイラ on 2007-05-07 at 07:38

    ただいま食育について勉強中。つい先週、自称添加物の翻訳者の阿部氏の小冊子を読んだばかり。常に添加物フリーのものを食べたいと思うが、時間がない時はついつい手を抜いてしまう・・・



  3. maki on 2007-05-07 at 12:12

    joseさん
    「食環境からいろんな現代の問題というものが見えてくる」というのは私も最近よく感じるところです。些末な事に気を取られていないか、重要なことは何かを考えて行きたいものです。
    レイラさん、おひさです!
    時間ない時は、ある程度仕方ないよね。でもそれだって、例えばおにぎりをコンビニで買わずに家の炊飯器で炊いたお米で作れば、ぜ~んぜん違うもの。私もこれをやりだして以来、コンビニおにぎりはマズくて
    食べられなくなりましたよ。
    また時々お寄り下さいまし。