4つの「もったいない」を意識する

4つの「もったいない」を意識する

4つの「もったいない」を意識する

 2週間も前の週末の話になってしまいましたが(最近ちょっと忙しい訳はまた後日、ということで)、ライフスタイルフォーラム2006が都内で開かれました。フォーラムの全体テーマ「GNH 豊かさをはかるモノサシ」にあるGNHとは、ヒマラヤの小国ブータンがGDP(国内総生産)に代わるべき豊かさの指標として提唱するGross National Happiness(「国民総幸福度」ぐらいの訳でしょうか)のこと。GNHは指標化されたものではないので、何が増えれば幸せになるかを決めるという点で、まさに個人や国家としての価値観が問われます。「私にとっての豊かさって何だろう?」って考えてみることです。そこで、この日はお目当ての「半農半スロービジネス~豊かさのモノサシ~」というタイトルの分科会に行ってみました。
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 ここに登場したゲストは、「半農半Xという生き方」 「半農半Xという生き方 実践編」という著書を通じて、自給を目指した農業を行いながら、個人の特技や好きなこと(=X)を生かして社会に働きかけるライフスタイルを提唱する半農半X研究所の塩見直紀さん、オーガニック&フェアトレードでコーヒーや紅茶を輸入する(株)ウィンドファーム社長の中村隆一さん、南米エクアドルとのフェアトレード商社(有)スローウォーターカフェ社長の藤岡亜美さんの3人。共通するのは、それぞれのレベルでの農的暮らしをしながら家族との時間を大切し、こうした生活の基盤を整えた上で、「仕事」を通じて社会をより良い方向に変えていこうとするライフスタイルを実践なさっていることです。
 では、ここで言う「仕事」をつくり出す、または選び出すにはどうすればいいのか…。私は、今回初めてお目にかかった塩見さんの言葉が印象に残っています。
「4つのもったいないを意識すること」


まずは、食べ物を捨てたり、モノを粗末にすることへの「もったいない」。食べ物を捨てない、モノを粗末にしないことがビジネスの種になる、ということです。
 次に、資源が活用されないことへの「もったいない」。今まで捨てていたものを生かすことで、環境にも人間にもやさしいビジネスがあれば素晴らしい!
 アイデアが日の目を見なかったり、かけがえのない個性が生かされなかったりするのも「もったいない」です。「それはダメ」「アイツはダメ」と排除してしまったものの中に、新たな可能性があるかもしれません。
 最後は、つながるべき人たちがつながれないことへの「もったいない」。環境も人間も大切にするビジネスをスケールアップさせるためには、分野は違っても同じ志の人同士が知り合い、輪を広げていくことが欠かせません。
 企業で、地域で、大学で、それぞれの立場で4つの「もったいない」を意識しながら起業する、新規事業を立ち上げてみる、日々の暮らしの心掛けを決める、といったことを繰り返していると、豊かさのモノサシっておのずと決まってくるのではないでしょうか。塩見さん、中村さん、藤岡さんのように、ごくごく普通の暮らしをしながら、これからの豊かさのあり方を先取りするような一種革命的なことを企てる人たちが増えると、世の中の風景が随分変わるんじゃないかと思っています。

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