就職先としても人気!社会的責任ビジネス

就職先としても人気!社会的責任ビジネス

就職先としても人気!社会的責任ビジネス

 「地球環境を何とかしたい」とか「世界から貧困をなくしたい」といった自らの価値観に合ったことを仕事にしたいと考える人たちが、アメリカではますます増えているようです。
 環境や社会に対して責任あるビジネスやNPO活動、環境と健康に配慮したライフスタイルなどについての情報を提供する会員制ポータルサイト「Care2.com」の調査によると、企業の社会的責任(CSR)をきちんと果たす組織で働けるなら、給料が今より下がっても構わないと考える人が、全体の48%にのぼりました。40%の人たちは、CSRを果たす組織で働ければ、長時間労働をいとわないとも考えているんだそうです。
 この手の統計、アメリカではここ数年結構目につきます。もう2年ほど前のものになりますが、スタンフォード大学の調査では、CSRを果たしている点で評判の良い組織で働くなら給料が下がってもいいと考えるビジネススクールの学生の割合が、97%にも達していました。容認できる収入の減少幅も平均で14%。金銭的な収入のためだけでなく、現在社会が抱える様々な問題の解決につながるような社会的意義のあることを仕事にしたいと考える人たちは、確実に増えているんですね。
 そんな人々の意識の変化に応えて、Care2.comは「世界最大の社会的責任ビジネスの求人情報サイト」という触れ込みで、Care2 Job Finder なるものも開設しています。
 ちなみにこのCare2.com調査では、CSRを果たしているとして最も名前が挙げられた企業として、Ben&Jerry'sボディショップパタゴニアセブンスジェネレーションスターバックスホールフーズマーケットワーキングアセッツといったおなじみどころが出ていました。Care2 Job Finder には、このあたりの企業の求人情報が出ているんです。
 10×年前に就職した私。当時はやりたいことだけが先走っていて、就職先企業の社会的責任なんて、正直考えもしませんでした。考えたことと言えば、せいぜい「新聞沙汰になった企業には行かないでおこう」程度でしたかね。各企業のCSRを測る物差しになるような情報源もありませんでしたし。
 しかし、今は違います。就職したい会社がCSRレポートやサスティナビリティリポートを発行していれば、最低でもその会社がCSRにどの程度取り組んでいるか(いないのか)ぐらいは分かる。あるいは、こうしたリポートを出していないということを確認するだけでも、その企業のCSRに対するスタンスを把握する目安にはなります。
 私たちは普段、消費者・サービス受益者として企業を”選んで”はいるけれども、就職(転職)先選びとなると、とたんに”企業に選ばれる”存在になってしまいがち。でも、就職(転職)先選びの際にCSRの観点から”企業を選ぶ”人がもっと増えれば、これは企業にとっては相当なプレッシャーとなるはずです。人材の集まらない企業は、やがては滅びるんですから…。

ページトップへ